湯町停車場

湯町停車場

「松江より汽車は宍道湖に沿うて西す、湯町駅南十五丁町、玉造温泉あり、後に要害・花仙の二山を負ひ、前に玉造川の清流あり、山中より産する青瑪瑙(めのう)は天下一品と称す」

以上は鉄道院発行『遊覧地案内』(明治45年)の一節である。

松江より西へ、松江〜宍道間(17.1q)が開通したのは明治42年(1909)11月7日である。
湯町駅(現玉造温泉駅)は同日開業した。

スタンプにある11月19日という日付は湯町駅で開通式が行われた日である(『山陰新聞』、明治42年11月20日「湯町鉄道開通式」)。

式典が開通日と大幅にずれたのは陸軍第17師団が出雲一帯で機動演習を行っていた等の事情によるという(『山陰新聞』同年11月8日「鉄道開通式」)。

なお、同駅設置をめぐっては、駅用地として玉湯村役場庁舎地が候補にあがったため、役場は移転の必要に迫られ、同年4月26日に大字湯町字畦無へ移転した。

湯町駅は戦後、玉造温泉来遊の旅客の増加に伴い、観光地としての同地を前面に出すべく、昭和24年(1949)5月11日、駅名を「玉造温泉駅」に改称した(『玉湯町史下巻』(一))。

【年代】 明治42年11月 【発行】 今岡商店発行