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宍道湖畔千歳が岡東宮御野立所前の列車

宍道湖畔千歳が岡東宮御野立所前の列車

この御野立所とは、皇太子嘉仁親王(のちの大正天皇)が明治40年5月に島根・鳥取両県を行啓する際に、宍道湖畔の国道沿い休憩所として玉湯村字林(松江市玉湯町林)に建てられたものである。

鳥取県での行啓を終えた皇太子は5月21日に島根県に入った。
当時は島根県内に鉄道はなく、皇太子の一行は馬車で移動した。

この皇太子の山陰行啓と御野立所については角金次郎編『山陰道行啓録』(明治40年)に詳しい。
5月26日午前9時に松江を出発した皇太子の一行は、午前10時20分に千歳ヶ岡の御野立所に到着した。休憩中に皇太子は、帆に風を受けて走る「八束郡浜佐陀、古志辺の漁船数十隻」をご覧になるなどしたとされる。

この場所は「宍道湖畔無比の眺望」との評判があり、御野立所は同年3月22日に起工し、5月16日に竣工したものであった。

しかし、その後、御野立所は鉄道の複線化工事等で壊され、現在同所にはその敷地の面影だけがわずかに残っている。

【年代】 明治42年〜45年  【発行】 今岡商店発行