天神境内遊園の景

天神境内遊園の景

天神宮の境内にして、老松数株、嗣宇(しう)を護するものを天神遊園とす。
境内広潤にして西南湖水に接し、近く嫁島に対して風光絶景なり。
寄席八雲館ありて興行絶たることなし。
遊覧所、酒楼露店あり。
老少男女の来たり遊ぶもの陸続踵(きびす)を接す。
夏季に至れば、湖上に涼棚を設け、紅燈水に映じて涼風青廉を動かす。
7月25日大祭は賽客詣人(さいきゃくけいじん)遠く隣国より到る。
其の雑踏は、市内諸祭りの最たり。
(明治41年島根県遊覧案内)

天神川鉄橋がまだ架かっていないので、42年11月以前に写した絵葉書と思われる。

鉄道開通後の同じアングルの絵葉書を見ると、石垣、建物がかなり変化している。
この当時は、舟での参拝客が多かった。

【年代】 明治40年〜42年 【発行】 今岡商店発行