美保関の景

東宮殿下美保関御仮泊。明治４０年５月１４日、東宮殿下は山陰行啓のため美保関にお着きになった。

護衛艦である第一艦隊有馬長官はじめ美保湾に入港、御召艦鹿島には東郷平八郎大将も乗艦していた。

この絵葉書は、東宮殿下をお迎えする地元の漁船団の歓迎風景の写真と思われる。

明治４１年島根県遊覧案内に美保関港の記述がある。

島根半島の東端、美保関村にありて、人家数百、港頭の連なり。
日本海航行の寄航するところなり。
前面、大山の秀峰に対して、日の出の景、最も雄大なり。
松江より毎日数回の汽船便ありて、遊覧の人絶えることなく、春月、影朧なるの夜、水欄の霞むるの夕清風、紅燈水に映じて、市況頗る繁盛なり。

【年代】 明治４０年５月１４日　【発行】 今岡商店発行　絵葉書用ガラス乾板

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